たからだ塾では今年最初のイベントとして、2月23日、24日に味噌仕込みを行いました。
1. 気温が低くゆっくりのんびり発酵させられる。
2. 雑菌が少なく、失敗しにくい。
などの理由で、味噌仕込みは寒仕込みと言って2〜3月頃に行うのが良いとされています。
▪️用意した材料:
・自然栽培の大豆:3升(1.3Kg x 3)
・自然栽培米で作った麹(白米麹 x 4kg、玄米麹 x 4kg)
・自然塩 : 2.4kg
出来高は約25kg x 2 (50kg)くらいになります。
<前日の準備作業>
1)大豆をよく洗う。大豆は結構汚れています。
2)大豆の3倍量の水に浸けます。約18時間以上つけます。
<当日の作業>
1)まず、大豆の水の浸り具合を、大豆を割って中に芯が残っていないかを見ます。その確認後、大豆のアクを丁寧に掬いながら、4時間くらい炊きます。
2)大豆を炊いている間に塩と麹を混ぜ、塩麹を作ります。
3)大豆が煮上がりましたら、柔らかさを確認し、ザルにあげ、つぶします。
4)つぶした大豆を冷まし、塩麹と混ぜ合わせます。
5)全体を均一に混ぜ合わせ、味噌団子を作ります。
6)味噌団子を樽に空気が入らないように隙間なく詰めていきます。
7)密閉するためラップや布、和紙などを上に敷き、重石を乗せて終了です。
当日は午前10時に集合し、作業して、夕方4時くらいに終了しました。みなさん、初めてとおっしゃっていましたが、さすがに主婦を長年されていらっしゃる方達ですので、連携も良くスムーズに作業が済んだと思います。お疲れ様でした。
あとは菌達が発酵の作業をしてくれるのを、見守るだけです。そして、今年の暮くらいには分けて、みなさんにお渡しできると思います。
日本の重要な発酵文化は、世界に誇れる文化の一つだと思います。その代表格の味噌は、身体を養うためにもこれからさらに重要になると思います。昨年の糠床作り、糠漬けも同様でしたが、これからの健康づくりに欠かせないものではないでしょうか。
発酵菌などの菌の力の助けを借りることで、添加物や保存料などを使わないで安心な美味しいものを作り出すことができます。これは自然を生活に上手に取り入れてきた日本人の知恵だと思います。もっとそれらを生活に取り入れられていけると良いですね。
やったことがなかったからと、糠漬けも最初はドキドキだった方も、やり始めたらはまっていらっしゃいます。味噌仕込みもやってみると案外楽に上手くできます。菌達という心強い味方がついているのですから。そんな体験になってもらえたら、良いと思います。
(以下、『食と日本人の知恵』第三章 微生物の巧みな応用 より一部抜粋)
漬け物は”整腸剤”
このように、日本が長い歴史にはぐくまれた漬け物の伝統国になった理由は、味噌、醤油、酒粕、米糠、麹など変化にとんだ漬け床の材料が多種あったこと。それに漬け床に合った野菜が実に多種にわたって栽培されていたためである。
漬け物が風味豊かに漬け上がる原理は、塩分の作用によって野菜の細胞から、水分が出て脱水される(これを浸透作用と呼ぶ)ことにより、細胞の生理作用が止まって保存のきく状態になり、脱水された水に代わって漬け床の味や香り、そして栄養成分が野菜に入っていくことにある。
(略)
糠漬けを例にしても、糠はビタミンB群の宝庫であるから、脚気や体力の衰え、疲労といったB群欠乏症の予防をこの漬け物で補っていた。
(略)
知恵者の日本人はまた、日本の漬け物が、腸内で体に良い働きをする微生物、とりわけ乳酸菌をその腸内で増やすのに多いに役立つものである事を、体験的に知っていた。野菜には、もともと乳酸菌が付いているが、これを漬け物にすると、食塩に対して抵抗力の強い乳酸菌はその漬け床で盛んに繁殖する。
人がこれを食べると、漬物から入った乳酸菌の一部は腸に到達し、そこで活発に増殖する。そのため、腸内は、体に良い乳酸菌で占められるようになり、腐敗菌や異常発酵菌などが腸内に侵入しても、その繁殖を抑えることができるのである。
そのうえ、有益な乳酸菌が腸内で多くなると、彼らはそこで多種のビタミンを合成してくれるから、日本人はこれを腸から吸収し、体の働きのために役立ててきたのである。だから昔の人は、漬け物を食べる時、漬け上がった野菜だけを食べたのではなく、二日に一度は漬け床をぬるま湯に溶いて飲んだという。
その他、漬け物の漬け床になっているあの糠みそのほんの一片の中に、日本の人口より多い数の微生物がひしめきあっている等、読んでいて驚くことばかり。小泉先生の食に対する探究心と、発酵文化を築き上げた日本人の素晴らしさに、読めばきっと感動することでしょう。
ご存知かもしれませんが、市販されている味噌の多くは、加温によって強制的に発酵を進めることで2〜3ヶ月で仕上げています。一方で、家庭での手作り味噌は天然醸造なので、熟成するのに10ヶ月もかかります。手間ひまはかかりますが、四季の変化を十分に味わった味噌の美味しさは格別です。
味噌に関してはまだまだ奥が深く、ここでは語り尽くせません。
古今東西、味噌に関する情報をとてもわかりやすく紹介している「みそ健康づくり委員会」のサイトもおすすめです。閲覧はイラストをクリックなさってください。
【2024年3月のたからだ塾:主な内容】
座学と体操(目の体操、生命力を高める体操、足ふり体操、重心移動のエクササイズ等)
初めての方もお気軽にお問い合わせください。単発でのご参加も可能です。
詳しくは「たからだ塾」のページをご覧ください。
⚫️ 日時:3月17日(日)、21日(木)14時~16時(開場:13時45分)
どちらかご都合のよい日にご参加ください。
⚫️ 会場:悠空間syn-(川崎市麻生区王禅寺西6-7-9)
⚫️ 内容:体操の復習などを行います。
⚫️ 費用:5,000円(税込)を当日、会場でお支払いください。
※ 施術に来られている方には特別割引きあり