4月のたからだ塾では、3月のお知らせ通り「糠床作り」をしました。
各個人用の容器に糠、漬物用塩、水を入れ、さらに旨み成分になる鰹節、煮干し、昆布、ニンニク、唐辛子、さんしょうの実などと捨て付け用の野菜をつけ込み、持ち帰っていただきました。そして、その捨て付け用の漬物は1〜2日後には食べて糠漬けの味見をしていただきました。
その後、個々人のやり方で糠床を育てています。そして感想や、質問をメールで送ってくださいました。
「新生姜を漬けてみました。糠漬けという人生初めての楽しみを味わっています。」
「新牛蒡を漬けてみました。牛蒡のあくも心配することなく美味しくいただきました。」
「カブを漬けたらみずみずしくて春を感じました。」
など。また、
「野菜を入れる前と取り出した後は糠床を下からかき混ぜていますが、野菜が入っているときはかき回していません。それで大丈夫ですか?」
「野菜からでた水分が気になるときはキッチンペーパーなどで吸水していますが、良いですか?」
といった質問には「大丈夫です」と答えています。
「美味しいです。」というメールをたくさんいただきました。ありがとうございました。
漬け物の原理は、塩分の作用によって野菜の細胞から水分が脱水されます。これを浸透作用と言いますが、このことにより、細胞の生理作用がとまり、保存がきく状態になります。
そして、脱水された水に代わって糠床の味や香り、栄養成分が野菜に入っていきます。
漬け物の効能として、野菜についている乳酸菌が漬け床の中で盛んに繁殖し、それを食べると漬け物から入った乳酸菌が腸に届き、腸内で活発に増殖します。
そのため腸内は身体に良い乳酸菌でいっぱいになり、腐敗菌や異常発酵菌などが腸内に侵入しても繁殖を抑えられます。
また、有益な乳酸菌が腸内で多くなると、乳酸菌が腸内でビタミンを合成して体の働きのために役立ててくれています。漬け物は整腸剤の役目もしているのです。
さらに糠漬けの場合、米糠はビタミンB群の宝庫ですので、昔からビタミンB欠乏症の予防として食べられてきました。
また、米糠には炭水化物、タンパク質、脂質、無機質、ビタミンなどの豊富な栄養源が含まれています。
それらの成分は微生物により分解され、漬け込んだ材料に浸透していき、材料を風味及び栄養豊かな野菜に変えることができます。
米糠の栄養素のかたまりに乳酸菌や酵母といった微生物が繁殖し、発酵し、糠みそという日本独特の漬け床ができたのです。
糠漬けの知恵は、他にもあります。糠床は連続発酵が可能ということです。上手に手入れして発酵をうまく管理し、食べて減った分の糠や塩などの材料を足して野菜を漬け込むことにより、毎日食べることができます。
そして、しばらく漬物をしないときも糠床の表面に多めに塩をのせ、塩で蓋をするようにしますと、何ヶ月も微生物を生かしたまま糠床を休ませることができます。
日本中で、その土地特有の漬物がありますが、魚の糠漬けもあります。糠床を作る実習の時にも「肉や魚は糠漬けできないのですか?」という質問もありましたが、イワシや、さば、サンマなどの魚の糠漬けがあります。
そして石川県には珍しいフグの卵巣の糠漬けがあります。これは1年塩漬けした卵巣を2年糠漬けすることにより、猛毒を抜くのだそうです。日本人の食の知恵には驚かされます。
5月のたからだ塾は5月24日(水)、5月28日(日)です。糠床実習のため、体操は2ヶ月できませんでしたので、いつも通りの体操の復習を丁寧にします。
また、その珍しいフグの卵巣の糠漬けをみなさんと味わってみたいと思います。
【主な内容】
座学と体操(目の体操、生命力を高める体操、足ふり体操、重心移動のエクササイズ等)
初めての方もお気軽にお問い合わせください。単発でのご参加も可能です。
詳しくは「たからだ塾」のページをご覧ください。
⚫️ 日時:5月24日(水)、28日(日)14時~16時(開場:13時45分)
⚫️ 会場:悠空間syn-(川崎市麻生区王禅寺西6-7-9)
⚫️ 内容:生理学、姿勢、呼吸法など
⚫️ 費用:5,000円(税込)を当日、会場でお支払いください。
※ 施術に来られている方には特別割引きあり