もっと利き手でない方の手を使ってみよう

  寒い季節になりました。寒いとつい縮こまってしまいがちになりますが、ウォーキングなどちょっとした運動をしたり、体を動かすことは血流が良くなったり、筋肉の動きにより発熱して体温が上がったり、その体温上昇により免疫力をアップさせたりといろいろな効果があります。ですので、全身の筋肉をまんべんなく使い、動かすことは大切です。

 そして運動だけでなく、日常生活の中で体を積極的に動かすことは大事ですが、そこで盲点になっているのが利き手、利き足の反対側の手足です。右利きの方が多いと思いますが、気づいてみると右手ばかり使っていませんか。

 この動き、使い方の左右差の為に、手の皮膚温にも腕の太さ、長さ、背中(特に肩から肩甲骨まわり)や胸の筋肉の厚みなどにも左右差があります。あまり使っていない側の筋肉は薄いですし、さらに筋肉が退縮しやすいです。廃用性萎縮といいますが、使わない筋肉は毎日萎縮するのです。

 また筋肉の動きのスムーズさ、器用さにも差があります。思うように動いてくれません。脳からの指令が神経伝達という形で筋肉に伝わり動かしていますが、それが伝わりにくくなっているということです。ですので、使っていない部分を意識して使うことにより脳・神経の活性化にもなります。

 さて、利き手でない方の手を使うといっても、最初から利き手と同じ作業をさせることには無理があります。そこで意識して使い始めるためのコツがあります。

 1. 利き手でない方の手にいつもさせる簡単な仕事を決めます。そうすると忘れません。

【例】

  • 拭き掃除(雑巾がけ、クイックルなど)
  • 掃除機をかける
  • ほうきで掃く
  • 歯磨きをする
  • お茶碗を洗う
  • トイレ掃除をする

 2. 無意識に手が動く時、どちらの手を使っているのか気づいてみましょう。自分の日常の体の使い方に意識を向けてみます。

【例】

  • 水を飲もうとしてコップを取る時
  • 水道の蛇口をひねる時
  • コンセントを差し込もうとした時
  • ドアを開けようとした時
  • エレベーターの行き先ボタンを押す時
  • コーヒーカップの持ち手を持つ時
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 手を使う作業はなにも字を書く、箸を使う、包丁を使うなどの時ばかりではありません。いろいろな場面でほとんど無意識に手を使っています。その時は利き手を使っていると思います。先ずそれに気付き、気付いたらそれをその場で利き手でない方の手にやらせてみてはいかがでしょうか。

 意外と難しいものですが、ちょっとしたゲーム感覚くらいの気持ちでやってみると、そのうち気が付いたら利き手でない方の手を使うことが多くなっているかもしれません。それは脳の指令伝達や脳の使い方の変化だと思います。

 また、足も利き足の反対側から踏み出すようにしてみます。それだけでも全身的な運動量の増加になり、血流改善などが見込まれます。

 これはない方が良いですが、万一、利き手を怪我などして使えなくなった時も、利き手でない方の手が使えると日常生活で助かります。日頃から練習しているつもりで使っていくと良いかなと思います。